建築学科からベンチャーにきて思った似ている5つのこと(前編)

エイジィ株式会社の2015年のアドベントカレンダー7日目を担当します、のがみです。

前職はITのベンチャー企業に新卒で入りましたが、その前は大学でITとは全く関係ない建築を学んでいました。

◆書こうと思った背景
社会人になって、外国人と話していたときに
「どこで働いているの?」と聞かれて、「ITベンチャー」と答えると、
「じゃぁ、情報系の学科を卒業したんだね」と言われて、「情報系じゃなくて、建築」と答ると、たいてい「なんでそんなに畑違いなところに」みたいな変な顔をされたり、「専門性がもったいない」みたいな話をされた。
ただ、実際に働いてみていると、建築学科とベンチャーって別に全く関係ない訳でもないよなぁ、と思いつつも結局英語で説明するのはむずかしそうだと思って、説明できなくて愛想笑い。
あまりIT業界やネット業界で建築の話が出る事もないと思うので、そのときに似ているなぁと感じていた事をせっかくの機会に書ければと思っています。

①一品生産品

スライド11-2ヶ月に1回、長いときは4ヶ月とか半年とかに1回、担当の教授から課題が出されて、「企画をして」→「模型を作って」→「説明資料を用意して」→「プレゼンをして」→「評価される」これが1回の課題での大まかな流れです。
評価の方法は課題を満たしているということを前提として、「誰のための設計なのか」「誰のどんなことに価値を与えるのか」「それは今までの設計や建築物とどういう点で違い、優れているのか、オリジナリティがあるのか」そういった事が【一品生産品】として評価されます。
会社でも事業を考えるときや社内ビジコンを開催するときにはテーマ(例えば「3年で10億円以上のビジネス」)が与えられて、その上で、「誰のためのビジネスなのか」「誰のどんな問題解決をするのか」「それは競合や今までのビジネスとどういう違いがあって、どんな付加価値を生むのか」を考えて【一品生産品】であることも評価されるという点では、考える物が建築なのかビジネスなのかの違いで本質は同じものと感じています。

企業で「一品生産品」と聞くと儲からない感じがするけれど、サービスとしては「一品生産品」でなければ勝てないはずなので、考え方は同じだなぁと思っています。

②基本的に自由

建築学科は学生のうちに補助がでない。
当たり前に聞こえるかもしれないけれど、他の理系学科ではビーカーや薬品、実験装置は当然学校のものを使う(ことがほとんどだと思う。用意するのは白衣とか眼鏡とかぐらいかなぁ、と)。
建築学科で支給されるのは大きい机と電熱線ぐらい。
十数万する設計ソフトも、1回数万する材料も基本的に実費。
卒業設計に至っては、たいてい十数万〜数十万かけて制作を行うけれど、これも実費。
ただ、裏を返せば、誰もが好き勝手に買う事の出来る材料で作業を行っているので、薬品とか危険物はほぼ無くて、TAや教授がそばにいる必要が無く、好きなときに好きなだけ作業が出来た。
いつ寝てもいいし、いつまで作業していてもいい。逆に言えば、(本当は怒られるかもしれないけど)設計の時間として割り当てられている時間にサークルやバイトなど他の事に時間を使っても怒られない。
自分の時間をどう使うかは、他の学科にものすごく比べて自由。
時間でもお金でもなくて、ものが出来ているか出来ていないか、それがいい物か悪い物かが重要であって、他の要素はあんまり考慮されない。
たいていの生徒が設計にかかる費用をバイト代で賄って、空いた時間で設計をしている事が多かったけれど、基本的に建築が好きだったり、自分のキャリアとして選んでいるからお金と時間をつぎ込める環境があったのだと思うし、周りがそういう熱中している人ばかりが集まっている環境だった。
その辺は本当にベンチャーとよく似ていると思うし、そういった全体の空気が作られていてすごく楽しかった。

③別に誰も正解を持っていない

055 学年が上がると、課題やテーマの難易度も上がるので何人かに1人ぐらいの割合でメンターがついたりします。そして、だいたい教授も週1−2回ぐらいでエスキス(指導や設計に対するフィードバック)をしてくれます。
ただ、建築は主観が必ず存在するので、これが最もよいという形は人によって様々だったりします。
悪い案については、メンターもどの教授もおしなべて悪いと判断を下しますが、
A教授はべた褒めでも、B教授からは酷評されるなんてことも茶飯事で、教授同士で見解も違ったりします。
なので、表面的な言葉を拾っていると結構振り回されることが多いです。
これは社会人になってから、社内に対してもクライアントに対しても一緒だなと思っていて、言葉だけを拾っていると、判断するには情報が足りなかったり、クライアントと社内での板挟みになったりするなぁと思っています。
まだまだうまくできる訳ではないけれど、発言した人がどういうコンテクストの下その発言をしているかをひたすら考えて、そのコンテクストを咀嚼した上で、自分の論拠は何でどんな提案をするのかが、学生のときも社会人になっても問われているなと感じています。

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ちょっと長くなってきたので、残りの2個は次回に書ければと思います。

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